コラム
不動産投資の基本知識
目次
キャピタルゲインとインカムゲイン
不動産投資にはいくつかの専門用語があり、初心者はそれらの言葉を覚える必要があります。今回はその中でも「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」について説明したいと思います。
不動産投資における利益には、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、売却益のことです。保有している不動産を購入した金額よりも高く売却できれば、その差額が利益となります。この利益を「売却益」と呼び、それがキャピタルゲインです。
将来、資産価値が上昇すると見込まれる物件を見極めて購入することで、キャピタルゲインを得ることができます。しかし、不動産投資初心者が確実にキャピタルゲインを得られる物件をすぐに見つけるのは、簡単ではありません。そのため、信頼できる専門家や不動産会社のアドバイスを受けることが大切です。
また、不動産投資においては、必ずしもキャピタルゲインを得られるとは限りません。たとえ専門家のアドバイスに基づいて物件を購入しても、市場の変動や自然災害など、さまざまな要因で購入金額を下回る可能性もあります。この場合、損失が発生し、それを「キャピタルロス」と呼びます。
かつて日本のバブル期には、短期的な不動産投資でキャピタルゲインを得ることができました。しかし、現在のように経済が低迷している状況では、短期間でのキャピタルゲインを狙うのは非常に難しいとされています。長期的な視点で、将来的に資産価値が上昇する可能性がある物件を選ぶことが重要です。
インカムゲイン
インカムゲインとは、家賃収入のことです。購入したアパートやマンションに入居者がいる限り、家賃収入を得ることができるため、副業としてだけでなく、本業として不動産投資をする人も増えています。
キャピタルゲインのように、一度に大きな利益を得ることはできませんが、継続的に安定した収入を得られるのがインカムゲインの魅力です。インカムゲインを目的とした不動産投資では、長期的に物件を保有するのが一般的です。
安定したインカムゲインを得るためには、物件選びが重要です。住み心地が良く、利便性が高いと評価される物件を選ぶことで、長期的に安定した収入を得られるでしょう。
利回り
不動産投資における「利回り」とは、見込まれる収益の割合を示す指標です。良い物件を選ぶ際、1つの重要な指標として利回りが挙げられます。これは、年間でどれだけの利益が得られるかを表しており、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回り
表面利回りとは、想定される年間の家賃収入を物件の購入価格で割ったものです。計算方法としては、想定年間家賃収入総額を物件価格で割り、その結果に100をかけることで年間の収益率を求めることができます。
不動産会社では、物件に対して表面利回りが表示されていることが一般的です。しかし、この利回りは満室の場合を想定したものであり、必ずしもその収益が保証されるわけではないことを理解しておく必要があります。
さらに、表面利回りは管理費、固定資産税、都市計画税、修繕費、火災保険料などの諸経費を考慮していません。それらの経費を含めた利回りを「実質利回り」と呼びます。
実質利回り
実質利回りとは、物件の購入価格や諸経費に加え、年間の運営経費を家賃収入から差し引いた後に算出される利回りです。
計算方法としては、まず想定年間家賃収入総額から諸経費を差し引いた金額を「A」とします。次に、物件価格と購入時の諸経費を合計した金額を「B」とします。そして、AをBで割り、その結果に100をかけることで年間の実質的な収益率を算出します。
実質利回りが高い物件は、投資資金の回収スピードが速いと考えられます。
不動産投資ローン
マンションやアパートなど、不動産投資を考えている方のためのローンが「不動産投資ローン」です。
ローンの借り入れに関しては、各金融機関によって年収制限、融資額の割合、金利、連帯保証の有無などに違いがあります。住宅ローンは、自分や家族が住むための住宅を購入する際に利用されるため、金利が低く設定されていることが多いですが、不動産投資ローンは、返済リスクが高いと認識されているため、金利が高く設定されています。
例えば、空室が多くなり家賃収入が見込めなくなると、返済が遅れる、または困難になる可能性があります。そのため、金融機関はそのリスクを考慮して、金利を高く設定しているのです。
不動産投資ローンのメリット
気に入った物件をすぐに購入できる
不動産投資ローンの最大のメリットは、気に入った物件をすぐに購入できる点です。自己資金が十分に貯まるまで待つのは大変ですが、不動産投資ローンを利用すれば、その待ち時間を短縮し、すぐに不動産投資を始めることが可能です。
高額な物件でも購入できる
自己資金が少ない場合、その範囲内で良い物件を購入するのは難しいことがあります。しかし、不動産投資ローンを利用すれば、少ない自己資金でも高額な物件を購入することが可能です。資産価値の高い物件ほど価格が高いですが、ローンを活用することで、そうした資産価値の高い物件を手に入れることができます。
不動産投資ローンのデメリット
ローン返済が厳しくなる可能性がある
アパートやマンションが必ずしも満室になるとは限りません。空室が増えると家賃収入が減少し、ローン返済が厳しくなる可能性があります。家賃収入だけでは返済が難しい場合、自己資金での返済が必要になるでしょう。
ローンの残債が残る恐れがある
所有している不動産を売却する際、売却金額がローンの残債を下回る可能性があります。特に急遽、不動産を売却しなければならなくなった場合、そのリスクが高まります。このような場合、残ったローンの返済は自己資金で行う必要があります。
自己破産につながる可能性がある
自己資金もなく、ローンの返済ができなくなった場合、自己破産や任意整理が必要になることもあります。
まとめ
不動産投資を始める前には、さまざまな知識を身につけておくことが必要です。売却益、家賃収入、利回りなどをしっかりと理解した上で、不動産投資を始めましょう。
また、不動産投資ローンを検討している方は、各金融機関の金利についても十分に調査することが重要です。できるだけ金利の低い金融機関を選ぶことが、不動産投資においては大切なポイントとなるでしょう。