コラム

不動産投資をするなら覚えておきたい災害被害

日本の台風被害

不動産投資を考える際には、災害被害について理解しておくことが重要です。特に日本は台風が頻繁に発生する国で、毎年各地で大規模な被害が報告されています。

多くの方が台風の予報を気にしている中、2019年10月に発生した台風19号が記憶に新しいでしょう。この台風は各地に甚大な被害をもたらし、多くの川が氾濫し、過去に例のないような浸水被害が発生しました。日本は高温多湿の気候で水害が多い傾向がありますが、地球温暖化の影響で記録的な豪雨が続き、地盤が緩み、土地の価値が大幅に下落するケースも増えています。

不動産投資家にとっても、こうした台風被害は大きな懸念事項です。不動産投資では自分が住む地域以外の物件を購入することが一般的ですが、どの地域も大規模な台風被害に遭うリスクが高まっています。それでも、水害に強い不動産を選ぶことで、リスクを軽減することが可能です。

水害に強い不動産とは

集中豪雨や台風は、河川の氾濫による洪水や土砂災害を引き起こす可能性があります。住宅が床上浸水や床下浸水するだけでなく、最悪の場合、激流によって建物が流されることもあります。床上浸水が発生すると、建物は汚染され、清掃・消毒や大規模なリフォームが必要になります。また、土砂災害では建物の全壊も考えられます。

このような被害を避けるためにも、水害リスクの少ないエリアの建物を選ぶことが重要です。各自治体のハザードマップや国土交通省のハザードマップポータルサイトなどを確認し、適切なエリアを選ぶことが大切です。

しかしながら、近年では絶対に安全なエリアはほとんど存在しないと言っても過言ではありません。それでも、台風や豪雨、その他の自然災害のリスクが比較的少ないエリアを選ぶことが大切です。

一棟投資を例にシミュレーション

不動産投資を始める前に、台風被害に遭った場合の対応や費用について考えておくことが重要です。一棟投資は土地と建物全てを購入するため、投資というよりは経営に近いものです。したがって、様々なリスクを事前に想定しておくことが必要です。

超大型台風や地震などの災害は予測が難しいものの、災害が発生した場合の対策やシミュレーションを行っておくことは重要です。台風被害に遭った賃貸物件の場合、保険やオーナーの実費で対応するケースが多く見られます。

床上浸水被害

保険では水害による補償が床上浸水から適用され、床下浸水は対象外となるため注意が必要です。保険申請には床上浸水の証拠を提出する必要があります。被害状況を記録する際は、壁にメジャーをあてて日付を入れた状態で撮影するなどの対策を講じましょう。

床上浸水が発生した際には、以下の修繕が必要になります。
・床の全面張替え
・内装の張替え
・電気工事
・ドアや収納などの建具交換
・廃材処理
・設備の全面交換
・敷地内の清掃・消毒
・断熱材の取り替え

修繕費用は少なくとも約900万円がかかると言われています。早急に対応しないと入居者が去ってしまう可能性があるため、できる限り早く対処することが求められます。管理会社に任せることも一つの方法です。

保険を考えよう

不動産投資を行う上で、災害に備えた保険への加入は必須です。災害で物件が被害を受けた場合、家賃収入が途絶え、場合によっては物件を手放す事態に陥ることもあります。そうしたリスクを軽減するためにも保険に加入することが重要です。

まず優先すべきは「火災保険」です。火災保険は風害や水害などの災害リスクもカバーする代表的な保険で、金融機関からのローンを組む際にも加入が求められるのが一般的です。また、地域特性に合わせて風害や雪害、水害に対する補償オプションも選択することをおすすめします。

次に、必ず加入しておきたいのが「地震保険」です。日本は地震大国であり、いつどこで大きな地震が発生するか分からないため、地震保険に加入しておくことでリスクを軽減できます。

ただし、保険料が高額になりすぎて支払いが困難になることがないように、必要な補償だけを選ぶことが大切です。

まとめ

日本では台風をはじめとするさまざまな災害が発生するため、不動産投資をする際には災害に備えた保険選びが欠かせません。災害が発生してからでは遅いので、事前に適切な保険に加入し、リスクに備えておくことが重要です。