コラム
不動産投資にまつわる用語
目次
投資に関する用語
不動産投資に関連する専門用語は、不動産投資を始める上である程度知っておく必要があります。ここでは、「不動産特定共同事業法」「分配金」「アセットマネジメント」の3つの用語を説明します。
不動産特定共同事業法
不動産特定共同事業法は、投資家の保護を目的として1995年4月に施行された法律です。不動産特定共同事業とは、複数の投資家が出資し、不動産会社などの専門家が不動産事業を行い、その運用収益を投資家に分配する事業のことを指します。
不動産特定共同事業を行うためには、事業を適切に遂行するための財産的基礎や人的構成など、定められた要件を満たす必要があります。この事業により販売される「不動産小口化商品」は、不動産特定共同事業法上、「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸借型」の3つの契約類型に分類されます。
分配金
不動産投資における分配金とは、投資家に対して運用利益の一部として支払われるお金のことです。主に不動産投資信託の投資法人から支払われるもので、株式投資における「配当金」と似た位置付けです。
運用で得た収益を、投資家の保有口数に応じて分配します。ただし、収益がなかったり損失が出た場合には、分配金が支払われないこともあります。
アセットマネジメント
アセットマネジメントとは、投資家に代わって株式や債券、不動産などの金融資産の管理・運用を行う業務を指します。アセットマネージャーという専門家が不動産の運用を担当し、投資家の利益を最大化するように運用します。
鑑定に関する用語
不動産投資において、鑑定に関する専門用語も理解しておくと役立ちます。ここでは、「固定資産税評価額」「基準地価」「原価法」について説明します。
固定資産税評価額
不動産を所有している場合、「固定資産税」を支払う義務があります。固定資産税は、「固定資産税評価額 × 1.4%」で計算され、この評価額は各市町村が土地や建物を評価して決めています。
土地の場合、評価額は時価の約70%が目安とされていますが、場所や地形、面積などによって異なります。建物の場合、新築時の価格の約50~60%が目安で、構造や規模、築年数によって変わります。
基準地価
基準地価は、各都道府県が調査し、9月下旬に公表する土地の価格指標です。土地取引の目安として利用され、一般的な土地取引だけでなく、地方公共団体や民間企業でも参考にされています。
基準地価は「公示地価」と似ていますが、国土交通省ではなく都道府県が調査している点が異なります。
原価法
原価法は、不動産鑑定評価において、対象不動産の再調達原価をもとに価格を算出する手法です。「対象不動産価格 = 再調達原価 − 減価修正」の計算式で求められ、一戸建てなどの査定価格を決定する際に使われます。
取引に関する用語
不動産取引に関する専門用語も多くありますが、今回は「サブリース」「現状有姿売買」「減価償却費」の3つを解説します。
サブリース
サブリースとは、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する契約のことです。オーナーはサブリース会社から安定した賃料を得ることができ、空室があっても賃料が保証されるメリットがあります。
サブリースには、「賃料固定型」と「実績賃料連動型」の2つのタイプがあります。それぞれ安定収入や賃料増額の可能性など、異なるメリットとデメリットがあります。
現状有姿売買
現状有姿売買とは、物件を現状のままの状態で売買する契約を指します。売主は、物件の不具合や修繕があっても修理する義務がありません。買主には、物件を現状のまま引き渡されるため、購入前の確認が重要です。
一方、現状有姿売買には、不動産価格の大幅値引きや売主と買主間でトラブルが起きにくいというメリットもあります。
減価償却費
減価償却費とは、建物の価値が年数とともに減少する分を、一定期間にわたって経費として計上することです。不動産投資では、購入価格を一度に経費にすることはできません。償却率に基づいて減価償却費を計算し、毎年の経費として申告します。
その他
不動産投資に関連する他の用語として、「固定資産税」と「区分所有権」を説明します。
固定資産税
不動産を所有する場合、「固定資産税」を毎年納める義務があります。税額は、「固定資産税評価額 × 1.4%」で計算されますが、都市計画税も課される物件では別途計算が必要です。
区分所有権
区分所有権とは、マンションの一室など、建物の一部を独立して所有・使用できる部分に対する所有権のことです。不動産投資家がマンションを購入する際、区分所有権を取得します。
まとめ
不動産投資には、多くの専門用語が存在します。全てを理解するのは難しいですが、よく使われる用語や重要な用語の意味は理解しておくと役立ちます。疑問があれば、専門家や不動産会社に相談することも大切です。