コラム

不動産の価格が上がる要因について

箇条書きにして可否を判断
せっかく不動産を購入したならば、価格が上がることを期待したいものです。特に資産運用のために不動産を購入している方は、不動産価格が上がるタイミングでの売却を目指すでしょう。しかし、株のようにいつ価格が上がるかを見極めるのは難しいものです。ただし、不動産価格が上がる時には一定の要因があるため、それを理解して不動産管理を行うことが大切です。

経済的な要因で不動産価格が上がるとき

不動産は土地と密接に関連しており、日本全体の経済環境が不動産価格に大きく影響を与えます。不動産価格が上がる主な要因は、経済的な変動に基づいています。ここでは具体的な例をいくつか紹介します。

株価の上昇
最も想像しやすい要因は、株価の上昇です。株価が下落すれば日本経済は不安定になり、不動産価格が上がることはありません。一方、株価が上がれば金融情勢が良くなり、企業収入や個人所得が向上します。金融機関の融資も積極的になり、資産運用への関心が高まるため、投資用物件の需要が増えます。

株価が高いほど企業の資金調達が容易になり、従業員の収入も増加するため、資産運用の促進が期待されます。このように株価と不動産価格は密接に関わっているため、不動産投資を検討する際には株価をチェックすることが重要です。

インバウンド投資の影響
インバウンド投資とは、海外から国内への投資を指します。近年、中国人観光客による「爆買い」が話題となりましたが、同様に海外からの不動産購入も日本経済に大きな影響を与えています。東京オリンピックの開催決定以降、日本経済は安定的と認識され、海外の富裕層によるマンション購入が増えました。

このような海外からの消費は不動産の評価を高め、不動産価格も上昇する傾向があります。インバウンド投資が大きくなると、不動産価格は一般のサラリーマンが手に入れにくくなるほど上がることもあります。これからの日本経済においてインバウンド投資はますます重要な要素となるため、不動産価格を見極める際にはしっかりと考慮しましょう。

イベントや再開発による価格上昇

大きなイベントや地域の再開発も、不動産価格が上がる要因です。たとえば、2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万博は代表的な例です。これらのイベントが開催される地域では、不動産価格が上がる傾向があります。

東京オリンピックの場合、都市開発やインフラ整備が進み、地域全体の雇用が促進され企業業績の向上も期待されました。その結果、不動産価格も上昇しました。一方、大阪万博においても不動産価格はエリア全体で上昇することが予想されています。これは、なにわ筋線の開業などの再開発プロジェクトが同時に進行しているためです。

また、都市再開発法による古い地域の整備も不動産価格上昇の要因となります。住みやすいエリアに生まれ変わることで、需要が高まり、不動産価格も上がる可能性が高いでしょう。

不動産価格が上昇するその他の要因

紹介した要因以外にも、不動産会社による売り渋りが価格上昇に影響することがあります。これは、不動産会社が将来的な価格上昇を見込んで、現時点で売却することを控えるためです。

不動産物件には販売予定日が存在し、その日よりも数ヶ月遅れて販売される場合、不動産会社が価格上昇を期待している可能性があります。通常、新築物件であればすぐに売れることが多いため、販売予定日が遅れるということは、不動産価格が上がる可能性を示唆していると考えられます。

不動産投資を検討する際には、販売予定日の遅れや売り渋りの動向を注視することで、価格の変動を予測する手がかりとなるでしょう。

まとめ

不動産の価格が上がる要因について解説しました。不動産価格は、日本経済の動向と深く結びついており、特に株価の動向やインバウンド投資、イベントや再開発が価格上昇に影響を与えます。地域性や不動産会社の動向も考慮しながら、適切なタイミングで投資や売却を検討することが重要です。不動産は安定的な資産運用の一つですが、価格上昇の可能性も秘めているため、経済環境をよく理解しておきましょう。