コラム
小口でもOK!不動産ファンドで節税対策する際のメリットと注意点
目次
現物不動産を節税対策に活用する方法は多くの方に知られていますが、小口の不動産ファンドでも節税対策に役立つことはご存知でしょうか?
今回は、不動産ファンドを活用して節税対策を行うことで得られるメリットと、その際の注意点についてご紹介します。これから小口で不動産ファンドを始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
不動産ファンドで節税ができる理由とは?
不動産ファンドにはさまざまな種類がありますが、節税対策として活用できるのは「不動産小口化商品の任意組合型」です。
任意組合型は、不動産特定共同事業において投資家と事業者が任意組合契約を結び、投資家が出資した不動産を事業者が運営・管理することで得られた収益を投資家に分配する仕組みです。この形態では、投資家は不動産の所有権を持つため、相続税評価額も現物不動産と同じ方法で算出できます。
現物不動産の相続税評価額は、株式や現金で資産を保有している場合に比べて低くなることが多いため、節税効果が期待できます。
現物不動産の相続税評価額が低くなる理由
現物不動産の相続税評価額は、「路線価」と「固定資産税評価額」に基づいて算出されます。路線価は国税庁が毎年7月に発表する土地の評価額で、公示価格の7~8割が一般的です。また、固定資産税評価額は実際の取引価格よりも低く設定される傾向にあります。
したがって、不動産小口化商品の任意組合型も同様の評価方法が適用され、相続税評価額は実勢価格よりも低くなるため、節税効果が得られるのです。
また、贈与税においても同様に評価されるため、同じ節税効果を期待できます。
現物不動産と小口不動産ファンドの節税対策に関する違いと注意点
現物不動産を所有する場合、給与所得や事業所得と不動産所得を損益通算し、減価償却費や経費を活用することで所得税を抑えることが可能です。
しかし、不動産小口化商品を提供する不動産特定共同事業の場合は注意が必要です。2005年度の税制改正により、2006年以降は「組合事業」から生じた不動産所得の損失は他の所得と損益通算できなくなりました。不動産小口化商品も組合事業に該当するため、投資家が受ける損益は不動産所得として扱われますが、損失は他の所得と損益通算できない点に注意しましょう。
小口の不動産ファンドの節税以外のメリット
節税以外にも、小口の不動産ファンドには次のようなメリットがあります。
資産継承がしやすい
小口の不動産ファンドは、複数の子どもがいる場合でも分割しやすく、資産継承がスムーズです。高額な現物不動産では分配が難しい問題も、小口なら容易に解決できます。
少額で不動産投資を始められる
従来の不動産投資は初期費用が高額でしたが、小口の不動産ファンドなら少額から始められます。リスクを抑えつつ分散投資が可能なため、不動産投資初心者にも適しています。
運営・管理の手間がかからない
小口の不動産ファンドは事業者が運営・管理を行うため、投資家はその手間を省けます。不動産投資に慣れていない方でも安心して始められるでしょう。
まとめ
小口の不動産ファンドは、少額から始められ、運営・管理の手間がかからないなど多くのメリットがあります。さらに、節税対策にも活用できるため、現物不動産と同様に相続税や贈与税を抑える効果があります。
ただし、不動産特定共同事業による損益通算ができないなど、注意すべき点もあります。自分に合った運用方法を見つけ、リスクを理解したうえで効果的に資産を運用しましょう。
不動産ファンドを上手に活用して、節税対策と資産運用を両立させていきましょう。