コラム

【中古物件で不動産投資】リフォームとリノベーションの違いとは

2021年4月27日

不動産投資

中古物件へ不動産投資をする場合は、現状よりも物件の価値を高めるために「リフォーム」もしくは「リノベーション」がよく行われますが、この2つの違いについて知っているという方は少ないのではないでしょうか。

実際、似たような意味で用いられることも多いので、2つがどう異なるのかについてこれまで意識したことがないという方も多いでしょう。

そこで今回は不動産投資でもよく使用される「リフォーム」と「リノベーション」の違いについて解説します。

リフォームとリノベーションには厳密な区分が無いものの、ある程度の基準があります。

まずはそれぞれの違いとメリット・デメリットなどについて解説します。

リフォームとは、老朽化した部分を新しいものに取り替えたり改修したりすることで、古くなった建物を建築当初の状態に回復させることです。

例えば、

など、比較的小規模な工事を指します。

対してリノベーションとは、上級な設備に取り替えたり最新の機能を取り入れることで性能を高め、建築当初以上に物件の価値を高めることです。

例えば、

など比較的大規模な工事を指し、住人の好みや世間のニーズに合わせて物件の価値や性能を向上させます。

メリット・デメリットは以下のような点が挙げられます。

メリット	新築物件に不動産投資をするより安く抑えられる物件価格の低下が緩やかになる間取りや内装を好みの状態に変えることができる
デメリット	完成形がイメージしにくい費用がわかりにくい耐震性能など、検査が必要になる場合もある工事期間が長いので住むまでに時間がかかる

特に中古物件への不動産投資では、劣化した物件を修繕して物件価値を上げることで、

などの理由で、不動産投資の利回りを高めることができるのが大きなメリットとなります。

その一方で、経験や知識がないと費用の相場や完成形をイメージすることが困難なため、想定していた以上に金額がかかってしまったり、理想とはかけ離れた仕上がりになってしまうというリスクも存在します。

不動産投資で購入した物件をリフォームあるいはリノベーションするとなると、部分的に設備を取り替えるような小規模の工事で100～300万円、間取りを変えるような大規模の工事なら500万円ほど必要になります。

リフォームのほうが費用を低く抑えられる傾向がありますが、部屋の広さや物件のある場所、工事の規模などによっても大きく金額が異なるので、費用の相場の違いを一概に言うことはできません。

費用を把握したいという方は、まず自分がどのような空間にしたいのかという完成イメージを考えてから、そのためにはどれくらいの予算が必要になるのかを確認すると、資金計画も立てやすくなるので参考にしてみてください。

不動産投資で購入した物件をリフォームもしくはリノベーションする時は、建築士や管理会社の確認が必要とされるような専門的な知識を要する工事もあるので、勝手に工事を進めるべきではありません。

建物は建築基準法によって構造基準が定められているので、勝手に工事をすることによって法に触れてしまう可能性もあります。

例えば、

などの大規模な工事は、それによって構造的欠陥が生じて建物が倒壊しやすくなります。

そのため、間取りや内装を変えたり、オートロックやエアコンなどの新たな設備を導入するような、大規模な工事を要する場合は専門家に依頼をするべきです。

物件を購入してから工事をする方法以外にも、すでにリフォームもしくはリノベーションされた物件に不動産投資をするという選択肢もあります。

すでに工事済みの物件なので、壁の中や床下などの目に見えない部分の老朽化や構造上の問題を自分で確認することができないというリスクもありますが、「すぐに入居できる」「完成した状態を見てから不動産投資できる」などのメリットがあります。

そのため、リフォーム・リノベーション済みの物件に不動産投資をする場合は、慎重に見極めた上で購入するかどうかを判断するようにしましょう。

今回は、不動産投資でもよく使用される「リフォーム」と「リノベーション」の違いについて解説しました。

似たような意味で使用されることも多いですが、不動産投資ではリフォームとリノベーションのどちらを選択するかによって費用が変わってくるので、2つの違いを理解しておくことは重要です。

利回りを悪化させないように費用を安く抑えつつ、建物の価値を維持するためにはどちらのほうが適しているかを判断して、不動産投資をしていきましょう。