コラム
「インフレ」と投資の関連性とは
目次
インフレや投資という言葉はよく耳にしますが、価値やお金といった面では非常に似ているため、混同している人も多いでしょう。実際にインフレと投資はどんな関連性があるのか、そもそもインフレとは何なのか、といった疑問が湧き起こります。
そこで、あまり知られていないインフレの意味や日本経済、不動産投資との関連性についてお伝えしていきますので、資産運用に役立ててください。
インフレとは
言葉はよく聞いていても、本当の意味を知っている人は少ないのがインフレの特徴です。インフレーションの略で、モノの価値が上がり続けている状態を意味しています。簡単に想像できると思いますが、モノの価値が上がる=お金の価値が下がることに直結します。
モノが高くなればそれだけお金が必要になり、インフレ状態になると、今までと同じものを買おうとしても1,000円が1,500円や2,000円必要になるというような変化が起きます。これは、モノの価値だけが上がり、お金の価値が下がった状態といえます。
インフレが日本で起きると「円安」という言葉が使われます。円安は日本にとって、旅行客が増えたり輸出が安くなるメリットもありますが、普段の買い物費用が高くなるというデメリットもあります。
投資をする上でインフレという言葉は絶対に覚えておきたいものです。通常、インフレは所得水準が低い時に発生しやすいといえますが、逆説的に所得水準が上がることでインフレが起きるとも考えられます。モノの価値が上がるということは、それだけ企業の収入が増え、社員に還元されることが理由です。
したがって、インフレになったとしても、必ずしも悲観することはありません。ただし、インフレと日本経済は重要なポイントであり、そもそもの所得水準が低いままである可能性もあります。その点を注視しながら、投資のタイミングを見計らいましょう。
日本経済はインフレなのか
現在の日本経済がインフレかどうかと言えば、はっきりとしたイメージはありません。ただし、これからの近い将来インフレになる可能性は考えられており、その理由の一つは所得水準が非常に少なくなったことです。
収入が少なければ購買力が著しく低下し、モノの価値が上がったように感じられます。このままの所得水準が続く、もしくは下降していく場合、完全にインフレの波に飲み込まれてしまう可能性が高いです。
今の日本は、自国で資源を持っておらず、ほとんどの場合、海外からの輸入に頼っている状態です。インフレが起こると輸入費用が非常に高くなり、人件費削減に繋がるなど、所得は低くなり、輸入費用だけが増えていくという事態になりやすいです。
今後の日本経済は、所得水準がそのまま、もしくは低下し、海外からの輸入に依存するため、費用負担が重なることが予測され、インフレになりやすい状況と考えられます。
不動産投資はインフレのタイミングが良いのか
インフレの状態では、モノの価値が上がるため、不動産投資をするチャンスではないかと思うかもしれません。しかし、不動産投資の魅力はインフレの影響を受けにくいことにあります。
もし、不動産投資を売買で行う場合はインフレのタイミングは非常に魅力的ですが、賃料収入を見込んでいる場合、必ずしもインフレのタイミングが良いとは言えません。不動産投資は、基本的に自分のタイミングでスタートできる投資法です。
インフレの時はモノの価値が上がるため、不動産の価値も上がります。しかし、多くの人が気にするのはインフレの反動で起きるデフレです。デフレはインフレの反対で、不動産の価値が下がるのではないかと心配する人もいます。
ただ、不動産投資の大きな魅力は、インフレ・デフレといった経済変動の影響を受けにくい点です。賃料収入が主であり、継続的に一定額が入ってくるため、リスクが少ない投資法です。インフレ状態になったとしても賃料が急に倍になるわけではありませんし、デフレでも大幅な値下げを求められることはほとんどありません。
不動産投資はインフレ・デフレのリスクに対して、コントロールしやすく安定感があります。不動産投資とインフレの関連性が全くないわけではありませんが、株のように日本経済や世界情勢によって価値や資産が大きく変動することは考えにくいです。
賃料による収入は、空室問題さえ解決すれば大きな変動がない一定の収入が見込めます。そのため、不動産投資はリスクを考慮すると利用しやすい投資方法です。
まとめ
不動産投資とインフレの関連性についてお伝えしました。インフレでモノの価値が上がるからといって、不動産の価値や賃料が高騰するわけではありません。もちろん、不動産の価値は上昇しますが、賃料が大きく変動する可能性は低いため、不動産投資は安定した収入を得られるリスクコントロール可能な投資方法です。
社会や世界は様々な影響を受け、景気の変化は避けられませんが、不動産投資は比較的安定感のある分野です。初めての投資におすすめされることが多い不動産投資は、インフレとの関連性を考えることでそのメリットが一層理解しやすいと言えるでしょう。