コラム
不動産ファンドで投資しよう!デューデリジェンスについて解説
目次
不動産投資は、株式投資やFX投資と比較して安定しているとされますが、それでも投資前にはさまざまな角度から精査する必要があります。このような調査を「デューデリジェンス」と呼びますが、その意味を知らない方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、不動産投資の中でも特に不動産ファンドにおけるデューデリジェンスに焦点を当てて解説していきます。不動産の資産査定をする際にも重要なプロセスですので、ぜひ最後までお読みください。
投資全般で使われるデューデリジェンスの意味とは
デューデリジェンスとは、投資対象に対して本当に投資しても問題ないかを分析・調査することを指し、「適性評価手続き」と訳されます。これは企業の買収や合併、また金融業界全般で使われる用語で、企業価値の査定や法的な資産調査を行うことで、投資の可否を判断するための情報を集めるプロセスです。
不動産ファンドにおけるデューデリジェンスを解説
不動産ファンドにおけるデューデリジェンスは、そのファンドが本当に投資に値するかを分析・調査することです。次に、どのような観点で不動産ファンドを調査すればよいのか、6つのポイントに分けて解説します。
1. 不動産ファンドの運用戦略が自分の投資目的に合っているか
まず、不動産ファンドがどのような目的で運用されているか、そしてそれが自分の投資目的に合っているかを確認しましょう。不動産ファンドには、安全志向のものからハイリスク・ハイリターンを目指すものまでさまざまな運用戦略があります。例えば、安全志向のファンドは着実に資産を増やしたい方に向いており、ハイリスク・ハイリターンのファンドは早く資産を増やしたい方に適していますが、その分リスクも高まります。
2. どのような物件を組み合わせて投資しているか
次に、ファンドがどのような物件を組み合わせて運用しているかを確認しましょう。ファンドが掲げる運用戦略に沿わない物件の組み合わせでは、リターン目標の達成が難しくなります。また、分散投資や将来性のある地域の物件に投資しているかも重要なポイントです。
3. 借入金の割合はどのくらいか
不動産ファンドでは、投資家からの出資金と金融機関からの借入金を資金源として運用します。この借入金の割合を示す指標として「LTV(Loan to Value)」があり、LTVが高いほどリスクが高まり、LTVが低いと安全性が高い運用となります。一般的に、LTVの標準範囲は不動産投資信託(REIT)で35~45%、不動産私募ファンドで50~70%です。投資するファンドのLTVがこの範囲内かどうかを確認しましょう。
4. 目標リターンの実現可能性はあるか
目標リターンがどの程度現実的かも重要です。運用益を狙う場合、適切な家賃設定や空室率、運用経費の割合などを確認しましょう。売却益を狙う場合は、物件の取得価格と売却価格が市場相場に対して適切かをチェックする必要があります。
5. 不動産ファンドの過去の運用実績と体制
不動産ファンドの過去の運用実績を確認し、十分な体制が整っているかを調査しましょう。ファンドが適切な許認可を取得しているか、また組織体制がしっかりしているかがポイントです。担当者1人あたりの物件数が多すぎる場合、投資家への対応や管理が不十分になる可能性がありますので注意が必要です。
6. 解約時の制限や罰則
運用期間が定められている不動産ファンドでは、途中解約に対する制限や罰則が定められていることが多いです。投資を行う前に、途中解約時の規定を事前に確認しておきましょう。
まとめ
不動産ファンドに投資する際、事前のデューデリジェンスが最も重要です。適切な調査を行うことで、リスクを軽減し、投資効果を最大限に引き出すことができます。投資の成功に向けて、しっかりとファンドの内容を精査しましょう。