コラム
【徹底解説】不動産投資ファンドとは?仕組みと種類をわかりやすく解説
目次
不動産投資を検討している人の中には「不動産投資ファンド」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。しかし、その仕組みや種類を正確に理解している人は少ないかもしれません。ここでは、不動産投資ファンドの基本的な特徴や種類について詳しく解説します。不動産投資の選択肢を広げるための参考にしてください。
不動産投資ファンドの特徴
不動産投資ファンドとは、「多くの投資家から資金を集めて不動産を購入し、そこから得られた収益を分配する」投資方法です。投資家一人ひとりが不動産を直接管理・運用するのではなく、ファンド会社が一括して運用するのが特徴です。
資金調達と共同投資のメリット
不動産投資ファンドでは、多くの投資家と資金を共同で出し合うため、自分一人では購入できないような高価な不動産物件にも投資できるのが大きな魅力です。また、投資対象は居住用の物件だけでなく、オフィスビル、ホテル、医療施設、さらには海外不動産にも広がっているため、幅広い分野で投資が可能です。
初心者でも始めやすい
不動産投資ファンドは、管理運用をファンド会社が行ってくれるため、自分で不動産を管理する手間が省け、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。さらに、大規模な物件への投資や海外投資も可能なため、投資の視野を広げることができます。
不動産投資ファンドと現物不動産の違い
不動産投資ファンドと現物不動産の最も大きな違いは、投資対象の範囲の広さと投資の手間です。
投資対象の範囲
現物不動産は主に居住用物件に投資するのが一般的ですが、不動産投資ファンドはオフィスビル、商業施設、ホテル、医療施設など、さまざまな種類の物件に投資できます。そのため、分散投資がしやすく、リスクの軽減にもつながります。
資金面と管理の手間
現物不動産の場合、購入費用を全て自分で負担し、ローンを組むことも一般的です。また、物件の管理も自分で行う必要があります。一方で、不動産投資ファンドでは、多くの投資家と資金を出し合うため、費用負担が軽減されます。また、ファンド会社が管理を行ってくれるため、自分で管理する必要がありません。
不動産投資ファンドの2つの種類と仕組み
不動産投資ファンドは、大きく分けて2つの種類に分かれます。それぞれの特徴と仕組みを理解しておくことが重要です。
1. 不動産投資信託(REIT)
不動産投資信託はさらに「公募ファンド」と「私募ファンド」に分けられます。
・公募ファンド
一般の投資家が誰でも投資できるもので、証券取引所を通じて取引が可能です。流動性が高く、少額から投資できるため、不動産投資初心者にとって扱いやすいのが特徴です。
・私募ファンド
専門知識を持った投資家が対象で、2〜50人未満の投資家のみが参加できます。投資額は1億円単位になることも多く、法人や大口投資家が主な対象です。個人投資家にとっては現実的ではないケースがほとんどですが、その分リターンも大きい可能性があります。
2. 不動産特定共同事業
不動産特定共同事業は、「任意組合型」と「匿名組合型」の2つの契約形態があります。
・任意組合型
投資家が不動産の持分を出資し、不動産の所有権が投資家に残る組合です。所有権があるため、不動産取得税や登録免許税が発生しますが、自分の名義で不動産を持てるというメリットがあります。
・匿名組合型
投資家が組合に資金を出資しますが、不動産の所有権は事業者が持ちます。投資家の名前は不動産登記簿に記載されないため、家族などに知られずに投資したい場合に適しています。ただし、所有権がないため、万一の場合に家族に収入を残せない点がデメリットです。
分配金の所得区分
任意組合型は不動産所得、匿名組合型は雑所得となります。節税効果を期待したい場合は、任意組合型が有利です。
まとめ
不動産投資ファンドは、現物不動産と比べて多様な投資対象や資金面での柔軟性があり、初心者にも始めやすい投資方法です。しかし、その仕組みや種類を理解しておくことが大切です。特に、不動産投資信託と不動産特定共同事業の違いを把握し、自分の投資スタイルに合ったファンドを選ぶようにしましょう。
初めて不動産投資をする方にとっては、現物不動産よりもファンドの方がリスクを分散しやすく、安心して投資を始められるため、まずは不動産投資ファンドを利用して投資に慣れていくのが賢明です。