コラム
不動産投資で資産運用をするなら、収益を上げる近道は利回りにあり!
目次
資産運用にはさまざまな選択肢がありますが、その中でも不動産投資は長期的に安定した収益を期待できる方法として人気です。
不動産投資を始める際には、投資回収や収支に関する正しい知識を持つことが成功への鍵となります。そして、その中でも「利回り」は、不動産投資の成果を左右する最も重要な要素の一つです。
単純に利回りの数値が高ければ高いほど収益が上がるというわけではなく、その背景を理解することが重要です。今回は、利回りの種類やその違い、適切な利回りの目安について解説します。
不動産投資の資産運用で最も重要な”利回り”とは?
利回りとは、投資した金額に対して得られる見込み収益を1年間の平均で示した割合のことです。資産運用においては、利回りが高いほど早く投資回収ができると一般的に考えられています。しかし、不動産投資では他の金融商品と異なり、単純に利回りが高ければ良いというわけではありません。
不動産投資における利回りは、想定利回り、表面利回り、実質利回りの3種類に分類されます。それぞれの違いを正しく理解しておかないと、表面的な数値に惑わされてしまうことがあります。
3種類の利回りとその違いとは?
不動産投資では、以下の3つの利回りが使われます。それぞれの違いを理解することで、より正確な判断ができるようになります。
1. 想定利回り
想定利回りは、物件が満室であると仮定した場合の収益性を示すものです。計算式は次の通りです。
年間家賃収入(満室状態) ÷ 物件価格 × 100
この数値は、あくまでも満室状態を前提としたものなので、実際の運用状況とは異なる場合があります。空室リスクを考慮せずに算出されるため、実際の収益を正確に反映しているわけではありません。
2. 表面利回り
表面利回りは、物件を購入した時点での収益性を示します。計算式は次の通りです。
年間家賃収入(現在の空室状況) ÷ 物件価格 × 100
想定利回りと異なり、現在の空室状況を反映したものですが、管理費や修繕費などの必要経費を含んでいないため、実際の収益性を完全には表していません。多くの不動産会社が物件情報で掲示する利回りは、この表面利回りを基にしています。
3. 実質利回り
実質利回りは、実際の収支を反映した最も現実的な利回りです。計算式は次の通りです。
(年間家賃収入 - 年間支出) ÷ (物件価格 + 購入時コスト) × 100
この利回りには、管理費や修繕費、税金などの支出も含まれているため、実際に不動産投資を行う際の収益性を最も正確に反映します。不動産投資を成功させるためには、この実質利回りをしっかりと把握することが重要です。
不動産投資における利回りの目安とは?
では、具体的にどの程度の利回りを目指すべきなのでしょうか。不動産投資における利回りの目安は、物件の種類や築年数によって異なります。
新築と中古物件の利回りの目安
都心部のマンションを例に、新築と中古物件の利回りの目安を見てみましょう。
・築20年程度の中古物件: 表面利回り 6%前後
・築20年以上の中古物件: 表面利回り 7~8%前後
新築物件は、修繕費がかからないため、実質利回りと表面利回りの差が小さくなります。一方、中古物件は購入直後に修繕費がかかることが多く、その差が大きくなる傾向にあります。中古物件を選ぶ際は、修繕費を考慮し、利回りが高めの物件を選ぶことが重要です。
マンションとアパートの利回りの目安
新築のアパートとマンションの場合、利回りの目安は次の通りです。
・新築アパート: 表面利回り 8%以上
・新築マンション: 表面利回り 6%以上
アパートの方が物件価格が低いため、利回りは高めになります。また、アパートはエレベーターなどの設備維持費が少ないため、実質利回りと表面利回りの差が小さくなる傾向があります。
まとめ
不動産投資で収益を上げるためには、利回りの正しい理解が不可欠です。単純に表面的な数値に惑わされず、実質的な収支を考慮した利回りを確認することが大切です。また、物件の種類や築年数によって利回りの目安が異なるため、自分に合った投資方法を選ぶ際の指針として活用しましょう。