コラム
マンション経営するなら災害のリスクもしっかりと考慮を
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マンション経営をする際に、どんな不安があるのかを検討していない人は意外に多いものです。不動産投資は、資産運用として非常に効果的で魅力的な面が注目されがちで、リスクに対する意識が薄れてしまうこともあります。
確かに、マンション経営は初心者でも比較的簡単に始められる投資方法ですが、リスクをしっかり理解していないと、思わぬ失敗を招く可能性があります。特に予期せぬ出来事として大きな不安を抱くのは、災害です。
災害対策を考える:地震リスクヘッジ
火災や洪水、台風など自然災害はいくつかありますが、中でも発生頻度が高いのが地震です。自然災害は未然に防ぐことができず、発生した後も対処が難しいものです。
マンション経営では、災害対策を事前に検討する必要があります。耐震性の高いマンションを購入することはもちろん重要ですが、実際にはマンションは戸建てやアパートに比べて地震の影響を受けにくい建物です。
現在のマンションは、新耐震基準に基づいて建設されていることが多く、震度5程度の地震では損傷しない強度が確保されています。また、震度6以上でも建物が倒壊しない条件が設定されているため、地震による倒壊リスクは比較的低いです。
しかし、地震の多い地域にマンションを購入すると、建物が何度も大きな地震に見舞われる可能性があります。どれだけ耐震性に優れていても、地盤が弱いと入居者は住み続けられません。地盤がしっかりした土地でマンション経営を行うことや、耐震設計が施された頑丈なマンションを選ぶことが重要です。
なお、新耐震基準を満たしているマンションは、住宅ローン控除を受けられます。控除率は1%ですが、マンション経営の際に背負う住宅ローン費用を考えると、十分な節税効果を期待できます。地震への不安を減らし、安心してマンション経営を行うことは、入居者にとっても魅力的です。
地震保険に加入するべきか
マンション経営において、様々なリスクに対応するために保険に加入することを検討する人も多いです。特に地震のような予測不可能な事態に備えるためには、地震保険に加入することが推奨されています。
地震保険は単独で加入することはできず、火災保険とセットでの加入が必要です。保険金額や保証内容は保険会社によって異なりますが、多くの場合、数千万円の補償を受けられます。
マンション経営を検討している方は、火災保険を選ぶ際に地震保険もプラスするべきか、不動産会社に相談してみてください。多くの場合、「つけた方が良いですよ」と言われるでしょうが、保険料とのバランスを考えた上で検討することが大切です。
一時的な費用負担に抵抗を感じて加入しない場合でも、実際に地震が起きて被害を受けたときには、それ以上の費用がかかる可能性があります。新耐震基準を満たしているマンションの場合、地震保険料が10%割引になるため、初期費用は高くても、恩恵を受けられることもあります。
災害でマンションがなくなった時のローンはどうなるのか
地震などの災害でマンションが倒壊してしまった場合、ローンはどうなるのでしょうか。災害が原因であっても、ローンはそのまま残ります。つまり、マンションがなくなり家賃収入も途絶える一方で、ローンの支払いだけは続くのです。
これは、ローンが建物そのものを保証するものではないからです。いくら建物がなくなったとしても、ローンの支払い義務は消えません。しかし、地震保険に加入している場合、ローンの残債分程度の保険金が支払われるような契約をしておくと安心です。
保険金額が高いほど通常の保険料も高くなりますが、万一に備えることはマンション経営をする上で非常に重要なポイントです。
まとめ
マンション経営における災害リスクについて考慮することは不可欠です。災害は自然の力で起こるため、人間の力で防ぐことはできません。購入するマンションの耐震強度や地震保険への加入、地震の多い地域でのマンション購入などは慎重に検討するべきです。
災害への配慮は、入居者に安心して暮らしてもらうためだけでなく、自分自身がマンション経営を続ける上でリスクや負担を軽減するためにも重要です。マンション経営を始める前に、こうしたリスク対策をしっかりと検討しましょう。